北京知的財産権裁判所は2014年11月に設立されており、北京市の知財民事事件および行政事件を管轄する以外に、拒絶査定不服審判、無効審判などの審決に対する訴えも専属管轄している。2019年11月10日、北京知的財産権裁判所の陳錦川副院長は、設立日である2014年11月6日から2019年上半期までの渉外知財事件(すなわち、当事者の一方または双方が外国人・外国企業に係る知財事件)の統計データを公開した。詳しくは、下記のデータが開示されている。

(案件の受理・結審について) 北京知的財産権裁判所は設立日である2014年11月から2019年上半期まで渉外(香港・マカオ・台湾を除く)知財事件を合計13736件受理し(全受理件数の21.1%を占めている)、また、10755件を結審し(全部結審件数の20.7%を占めている)。

年度データからみれば、渉外知財案件の受理・結審件数が全体的に増加する傾向にあり、案件の受理件数について、年平均の伸び率は約8.4%であり、案件の結審件数について、年平均の伸び率は約40.4%である。

(案件の類型について) 渉外知財案件のうち、大部分は行政事件であり、受理件数が合計で13164件であり、渉外知財案件の95.8%を占めている。行政案件において、商標に係る行政案件が91.8%であり、特許に係る行政案件が8.2%である。渉外知財民事事件の受理件数は572件であり、その中に半分近くは特許民事事件であり、それ以外は主に商標、著作権および不正競争などの民事事件である。

(業界分野について) 案件に係る業界分野は幅広い。そのなか、世界トップ500企業の案件は1122件であり、全部結審件数の10.4%を占めている。業界からみれば、自動車および部品に係る案件が一番多く、その次はコンピュータ、事務機器、石油精錬などがある。

(地域分布について) 渉外知財案件は90カ国・地域(香港・マカオ・台湾を除く)をカバーしている。そのなか、アメリカ当事者に係る渉外知財案件は一番多く、約33.2%を占めており、ドイツ当事者に係る渉外知財案件が10.3%を占めており、日本当事者に係る渉外知財案件が8.8%を占めている。結審案件のうち、G20国の案件は77.7%を占めており、欧州連合加盟国の案件は39.3%を占めている。

(当事者について) 結審された渉外知財行政事件において、原告のみが外国の主体(外国人・外国企業)の案件(すなわち、外国人または外国企業が中国知財行政管理機関を提訴する案件)は72.1%を占めている。第三人のみが外国人・外国企業の案件(すなわち、外国人または外国企業は行政相対人[行政施策の対象となる者]として、国内の主体が中国知財行政管理機関を提訴する訴訟事件に参与する)は24.7%を占めている。原告および第三人の両方が外国人・外国企業の案件(すなわち、外国の主体は外国の主体間の事で中国知財行政管理機関を提訴する事件)は3.2%を占めている。

渉外知財民事事件において、原告のみが外国人・外国企業の案件(すなわち、外国人または外国企業が中国の主体を提訴する案件)は76.6%を占めている。被告のみが外国人・外国企業の案件(すなわち、中国の主体が外国の主体を提訴する案件)は19.0%を占めている。原告および被告の両方が外国人・外国企業の案件は4.4%を占めている。

(裁判結果について) 渉外知財事件の大部分は判決方式で結審し、88.1%を占めている。その中、行政案件において、判決で結審した案件の割合は90.7%であり、裁定で結審した案件の割合は9.3%である。渉外知財民事案件において、判決で結審した案件の割合は31.3%であり、調停による訴訟撤回で結審した案件の割合は46.8%であり、その他の方式で結審した案件の割合は21.9%である。

渉外知財行政案件において、国外当事者の勝訴率は49%であり(原告および第三人の両方が外国人・外国企業の案件を除く)、渉外知財民事案件において、国外当事者の勝訴率は68%である(原告および第三人の両方が外国人・外国企業の案件を除く)。

行政裁決に対する司法審査結果からみれば、渉外知財行政案件において、国家商標行政主管機関の行政行為を撤回した案件は31.8%を占め、国家特許行政主管機関の行政行為を撤回した案件は13.8%を占めていた。

(賠償額について) 渉外知財民事案件において、当事者の賠償請求額は平均で277万人民元であり、判決で認容された賠償額は平均で136万人民元であり、賠償請求額の認容率は49.1%であった。渉外技術類訴訟案件について、当事者の賠償請求額は平均で238万人民元であり、判決で認容された賠償額は平均で208万人民元であり、賠償請求額の認容率は87.4%であった。年度で統計すると、判決で認容された平均賠償額は全体的に増加する傾向にあり、2015年に約77万人民元であり、2016年に約103万人民元であり、2017年に約52万人民元であり、2018年に約198万人民元であり、2019年上半期に約286万人民元(約4476万円に相当)である。

図 1:北京知的財産権裁判所:渉外知財件数が増加
図 1:北京知的財産権裁判所:渉外知財件数が増加
図 2:北京知的財産権裁判所:渉外知財件数が増加
図 2:北京知的財産権裁判所:渉外知財件数が増加
図 3:北京知的財産権裁判所:渉外知財件数が増加
図 3:北京知的財産権裁判所:渉外知財件数が増加
図 4:北京知的財産権裁判所:渉外知財件数が増加
図 4:北京知的財産権裁判所:渉外知財件数が増加

ソース:http://ip.people.com.cn/n1/2019/1017/c179663-31405893.html