実用新案は低コストで早期に登録できることから広く利用されており、中国の出願件数は増加を続け、2011年には58万5,000件に達した。
2011年度にSIPOが専門調査機関へ委託した審査品質の満足度調査では、実用新案の満足度指数は83.3となり、全体として満足されていることが示された。
実用新案審査部の責任者によると、品質向上は審査官研修の重視に加え、次の2つの取組による。
1. 審査過程の品質管理の強化
従来の品質管理は主に終結案件の事後検査で、審査過程への注意は十分ではなかった。しかし、中間段階で発行される通知書の品質は、審査期間、その後のフィードバック、外部からの反応及び苦情に影響する。そこで2011年から中間通知書の特別品質検査を実施し、問題の早期発見・解決につなげている。
2. 明らかな実体的欠陥に対する審査の強化
中国の実用新案は実体審査を行わず、初歩審査を行う。初歩審査は方式審査と明らかな実体的欠陥の審査からなる。近年は後者を重視し、新規性を明らかに欠くか、請求範囲が明確かを慎重に検討することで、権利の安定性を高めている。
2012年には、特許法第22条第2項の新規性及び第26条第4項のサポート・明確性要件等に関する特別品質検査を行う。審査官による明らかな実体的欠陥の審査を強化し、出願人にも出願品質の向上を促すことで、実用新案の登録品質を全面的に高める。2012年2月29日付。
出典:http://www.sipo.gov.cn/mtjj/2012/201202/t20120228_647356.html
付録1:世界の実用新案出願
46の国・地域の知的財産庁の統計によると、2010年の実用新案出願は前年比24%増の約49万6,000件となり、過去最高を記録した。中国の増加がこれを牽引し、SIPOの受理件数は全世界の83%を占めた。
他の庁の受理件数は減少し、ドイツ、韓国及びブラジルでは、それぞれ1.7%、20.3%、36%減少した。出典:WIPO『世界知的財産指標2011』。
付録2:中国の特許・実用新案出願合計に占める実用新案の割合
以下は、1985年4月~2010年12月の累計、2010年単年、及び増加幅の順である。比率は実用新案出願件数÷(発明特許出願件数+実用新案出願件数)で計算する。
中国:56.36%、58.15%、1.79ポイント増。
日本:1.21%、1.59%、0.38ポイント増。
韓国:2.01%、3.26%、1.25ポイント増。
ドイツ:1.77%、2.14%、0.37ポイント増。
米国:2.66%、3.40%、0.74ポイント増。
SIPOの2010年統計年報に基づきDEQI作成。
