2014年5月1日より、中国はグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を含む製品に対して意匠権を付与することになりました。5月の GUIに関する中国意匠出願件数は合計2500件を超え、そのうち、5月1日の一日間に提出された意匠出願は1400件を超えました。
5月に意匠出願をした出願人の構成としては、中国国内の出願人が多く占め、そのうち企業による出願の割合が70%を上回りました。GUIが適用される製品の分野としては、多くの意匠出願はGUI を含む携帯電話およびGUIを含むパソコンであり、両者が占める割合は80%を上回りました。
今年7月に、GUI意匠出願で注意すべき問題点について、中国知的財産権新聞の記者は中国特許庁 (SIPO)の意匠審査部部長・林笑躍氏にインタビューしました。その一部の回答を下記のとおりまとめます。
質問:
今まで提出されたGUI意匠出願の中で、最もよくある問題は何でしょうか?
回答:
全体から見れば、提出された意匠出願の中で最もよくある問題は、GUIデザインを明確かつ完全に表現していないということです。よくある「明確に表現していない」という問題は、例えば、必要な図面と説明(必要な使用状態参照図や説明など)が欠けるため、図面あるいは写真の表現内容を判断し難く、または表現内容が保護客体に属するかどうかなどを判断し難くなります。
表現の明確性要件について、出願人および弁理士は意匠出願を提出する前に、提出しようとする図面および簡単な説明が十分なデザイン情報を表現できているかどうか、慎重に検討する必要があります。
質問:
現在、全てのGUIデザインが意匠権として保護できるとはいえませんが、審査でどのように把握するのでしょうか?
回答:
SIPOが受領した意匠出願の中には、確かに意匠の保護対象外となるGUIデザインが一部存在します。中国特許審査基準に明確な規定があるが、客体の判断についていくつかの点で確かに困難性があります。例えば、ウェブサイトのページの図面文字組みとホームページのアプリケーションの判断、ゲーム画面とソフトウェア・インターフェースの判断など。
そのため、意匠権を取得でき、デザインが有効に保護されることを保証するために、出願人は意匠出願書類の準備段階で、なるべく図面や写真および簡単な説明を通じて、GUIのデザイン、用途、インタラクティブ方式などの情報を明確に表現して、審査官に判断しやすくすることで、客体判断の不確定性が避けられます。
一部の出願人は、ゲーム画面とソフトウェア・インターフェースを区分し難いと思うかも知れません。実際の審査では、審査官は意匠出願に係る製品の名称、図面あるいは写真や簡単な説明に基づき、 GUIデザイン分野の常識とも組み合わせて、対象出願GUIがゲーム画面に属するか、それともソフトウェア・インタフェースに属するかを総合的に判断します。
質問:
単一のアイコン設計は意匠権を取得できますか?
回答:
アイコン設計は意匠製品の設計要素に属します。しかし、アイコンはインターフェースの構成要素にすぎず、インターフェースは実体製品と一緒に意匠保護を受ける必要があります。
従って、意匠の全体観察、総合的判断という原則の下で、出願人はある単独のアイコンの具体的な模様のみを保護したい場合、意匠での保護は困難です。実際の保護力に制限があります。これは現在、中国の意匠制度に部分意匠制度がないことと関係あり、他の種類の製品の意匠保護でも同様の問題が存在します。例えば、出願人はコップの取っ手部分を改良して、仮に取っ手部分のみについて意匠保護を受けたい場合でも、現行制度では保護を受けることができません。取っ手部分とコップ胴体を組み合わせた、コップの全体意匠として保護を受ける必要があります。これは出願人の要部の意匠の保護には不十分です。
単独のアイコン設計についてのみ保護を受ける場合には、例えば出願人は、商標権の保護を求めることができます。
質問:
GUIのレイアウト設計は意匠権を取得できるのでしょうか?
回答:
SIPOへ提出された意匠出願の中で、より広い保護範囲を得るために、一部の弁理士や出願人がGUIのレイアウト設計のみを提出することを考えました。具体的には、意匠は各インターフェース要素のレイアウトだけを表現し、各要素の具体的な設計を表示しません。
例えば、複数のアイコンを含むインターフェースについて、アイコンの模様デザインをすべて削除し、アイコンの位置を表示する枠線だけを残します。一般的な理解では、レイアウトが同一であるだけで本意匠の保護範囲に入ることになるため、GU Iレイアウト設計の保護範囲が比較的広くなります。しかし客観的に考えると、レイアウト設計はインターフェイス全体設計の一部に属するものであり、このような意匠出願は部分意匠と似ているとも考えられます。それは現在の中国の全体意匠制度に合わず、インターフェースの外観設計も明確に表現されていないため、実際の審査においては、単にレイアウト設計と製品との組み合わせのみで意匠出願を提出することが許されません。
実務上、GUIには、携帯電話の撮影アプリに表示される撮影画像のように、時間や環境によって変化し、インターフェースのデザイン自体を構成しない内容が含まれることもあります。このような内容がGUIの表現を妨げる場合は削除し、簡単な説明にその旨を記載します。削除する内容が多いとレイアウト図に似る場合がありますが、両者は異なります。前者の保護対象は変化する内容を除くインターフェースのデザインであり、後者は設計要素の配置そのものです。
質問:
GUI意匠出願において、類似意匠はどのように判断されますか?
回答:
全体意匠の現行制度では、GUIの類似意匠判断も全体観察・総合的判断がされます。すなわち、本意匠に係る実体製品および他の意匠に係る実体製品には一定の類似性があり、かつ、本意匠に係るGUIデザインおよび他の意匠に係るGUIデザインには一定の類似性があることが求められます。
実務的に、一部の出願人はできるだけ権利範囲を拡大するために、同じGUIデザインを異なる実体製品デザインと組み合わせて類似意匠出願を提出します。このような出願について、実体製品デザインがお互いに似ている場合、類似意匠として合併出願することができるが、実体製品デザイン間の差が大きい場合、合併出願の条件を満たさず、審査官から出願人に分割出願を要求されることになります。
ソース:http://www.cipnews.com.cn/zgzscqb/html/2014-07/18/content_43913.htm?div=-1
