キーワード:時効期間、時効中断、商標権侵害

(バーバリー社の保有商標) 【事件の概要】

バーバリー社は第25類「衣料品」に関する商品の商標「BURBERRY」の商標権者である。公安機関は2012年3月 20日、陳凱氏、魯秋敏氏が上記商標の模倣品を販売したことについての刑事事件を解決し、翌日、バーバリー社商品に関する模倣品を見分けるように要求した。2012 年8月24日、上海市楊浦区裁判所は、2名の被告に有期懲役刑(執行猶予付き)と罰金刑に処した。

2014年8月15日、バーバリー社は本件訴訟を提起し、裁判所に、被告2名に経済的損失及び合理的支出100万元(約1830万円に相当)を賠償するよう請求した。これに対して陳凱氏と魯秋敏氏は、バーバリー社が2012年3月 20日にはすでに権利侵害行為を知っていたにもかかわらず、2014年8月になって訴訟を提起したことは、2年間の時効期間がすでに経過していると抗弁した。

【判決】

上海市楊浦区裁判所は一審判決として、バーバリー社の提訴は時効期間がまだ経過していなかったと認定し、被告の陳凱氏、魯秋敏氏によるバーバリー社の商標専用権侵害につき、連帯して原告バーバリー社に経済的損失15万元(275万円)及び合理的支出1.5万元(28万円)を賠償することを命じる判決を下した。魯秋敏氏は一審判決を不服として、上訴を提起した。上海知的財産裁判所は上訴を棄却し、一審判決を維持する二審判決を下した。

【本判決の意義】

本件は、訴訟の時効中断事由の認定に係わる事件である。本件判決は、他人による権利侵害行為が、既に刑事訴追過程に入り、偵査部門の要求に応じて調査に協力するという事実は、訴訟の時効に対して法律上の意義がある。

上述の事実は、以下の2つの面から見れば、権利者にとって重要な意義があると裁判所は認めた。1つは、権利者がその権利が侵害されたことを分かっているということで、訴訟時効の起算という法的効果が生じる。もう1つは、権利者が刑事上の調査によって自分の民事権利が保護されることを信じるという理由で、かつ訴えられた行為が権利を侵害するという認定が発効した刑事判決によるということで、訴訟時効が中断するという法的効果が生じる。当該認定は時効の中断事由を合理的に限定し、権利者が法律の規定に基づいて、自身の権利を保護するための保障を提供したといえる。

(注)本件は2015年上海知的財産裁判所10代表的判例の1つである。

ソース:http://blog.sina.com.cn/s/blog_6828e0630102vzno.html

図:商標権侵害紛争事件 ――バーバリー社VS陳凱氏、魯秋敏氏
図:商標権侵害紛争事件 ――バーバリー社VS陳凱氏、魯秋敏氏