このほど、北京知的財産裁判所が、商標専用権の紛争案件について、被告に1000万元(約1億6000万円)の賠償を命ずる最終判決を下した。これは北京知識産権法院発足以来、商標権侵害の案件では最高の賠償金額となる。
原告の美巣集団公司(以下、「美巣」)は、「工業用粘着剤・工業用にかわ」などの商品で「墻錮」の商標を登録し使用している商標専用権者であり、市場での当該商標の知名度は高い。被告の北京秀潔建材新興有限公司(以下、「秀潔」)は許諾を得ずに、自らが製造・販売する同類の商品に目立つ形で「秀潔墻錮」など「墻錮」を用いた文字を使用し、権利侵害を構成していた。
裁判所は審理の結果、「墻錮」は当該業種で俗に使われる汎用名称ではなく、被告が上述の文字を商品の外装の目立つ位置に使用し、字体も大きいことから、商標の意味で使用しており、原告の登録商標専用権を侵害していると認定した。
美巣は、権利侵害賠償額が秀潔の侵害利益によって算定されると主張し、関連証拠も提供した。裁判所は秀潔会社の実際的な経営情況を反映する関連証拠を提供することを秀潔に命じた。しかし、秀潔は関連証拠の提供を拒否した。裁判所は究明の事実及び証拠妨害の制度※に基づいて、美巣の主張を全額に支持し、秀潔が美巣に1000万元の賠償を支払うと判定した。
賠償額の大きさが世間を震撼させている本件だが、知的財産権保護に注力することを明言している中国のこと、今後より厳しい措置が取られる事案も増えそうだ。
※証拠妨害の制度に関する条文:
中国商標法63条2項
裁判所は、賠償金額を確定するため、商標権者がすでに立証したが、侵害者が侵害行為に関連する帳簿、資料を所持している場合、裁判所は、侵害者に対しそれらの提供を命じることができ、侵害者が提供を拒んだ場合などは、商標権者の主張及び商標権者から提供された証拠を参考にして、賠償金額を確定することができる。
ソース:http://www.cn-trademark.net/cn-news16_10-12.html http://rmfyb.chinacourt.org/paper/html/2016-11/22/content_118762.htm?div=-1


