2016年通年で、北京知的財産裁判所で受理された知財事件は総計10,638件であり、2015年の9,191件と比べ15.74%増加した。その中、一審は8,305件で、二審は2,330件で、再審は3件であった。

一審の事件において、特許紛争は1,754件(うち、特許行政紛争は1,104件)、商標紛争は5,969件(うち、商標行政紛争は5,936件)、著作権紛争は420件(うち、コンピュータソフト著作権紛争は417件)であった。

二審の事件において、特許紛争は7件、商標紛争は156件(うち、行政紛争1件)、著作権紛争は1,895件、技術契約紛争は43件、不正競争紛争は78件、その他は151件であった。

北京知的財産裁判所で審理された事件の特徴として、「一審事件が多い、行政事件(日本の審決取消訴訟事件に相当)が多い、技術類事件が多い、外国当事者に係る事件が多い」が挙げられる。また、2016年にさらに下記5つの新動向が見られる。

①ハイテクの重大な戦略産業とコア技術に関わる事件が増加 ②双方の当事者とも外国人である事件が増加 ③外国当事者が権利を侵害したと中国権利者に起訴される事件が増加 ④新種類の紛争事件が増加 ⑤訴訟金額が巨額の事件が増加また、北京知的財産裁判所の所長・宿遅氏は「知的財産権侵害の賠償力を大幅に高める」ことを強調した。

2016年に北京知的財産裁判所は審理中で、大幅に知的財産権侵害の賠償力を高めた。2015年に北京知的財産裁判所は平均で賠償金額45万元(約6.5万ドル)を判決した。一方、2016年には、不完全な統計であるが、特許権侵害事件の平均賠償額は141万元(約20.5万ドル)で、商標権侵害事件の平均賠償額は165万元(約24万ドル)、著作権侵害事件の平均賠償額は45.8万元(約6.7万米ドル)であった。

宿遅所長は訴訟金額が巨額になった事件として下記を挙げた。

●「mobil」商標権侵害事件において、原告450万元(約65万ドル)の賠償請求が全額認められた ●「墙锢」商標権侵害事件において、原告1,000万元(約146万ドル)の賠償請求が全額認められた ●「USBKey」特許権侵害事件において、原告4,900万元(約714万ドル)の賠償請求が全額認められ、初めてタイムチャージに基づいて原告側の100万(約14.6万ドル)の弁護士費用が認められた ●「紫玉」商標権侵害控訴事件(事件番号:(2015)京知民終字第1878号)において、一審裁判所が判決した100万元(約14.6万ドル)の賠償金額に対して、控訴審は賠償金額を300万元(約43.7万ドル)に引き上げた ●書生公司著作権侵害事件において、標準原稿料の上限300元/千字に基づき賠償額を算定し、一審の賠償額より大幅に引き上げた (上記内容は北京知的財産裁判所の所長宿遅氏の2017年1月10日の北京知的財産裁判所二周年記者会見における発言によるものである) ソース:http://www.chinaiprlaw.cn/index.php?id=4592