中国では、登録商標の図形部分を他人に非同一・非類似の商品において商標登録されてしまうケースが多く存在します。そのため、知的財産権保護の観点から、商標権者(ご質問者)による該商標の著作権登録をお勧めします。

1.著作権登録の要件

著作権法上の著作物とは、文学、芸術または科学の分野において独創性を有し、かつ、ある種の有形的な形式で複製できる知的成果をいいます。

創作者が独立して完成させ、独特のデザインと知的成果を表す商標であれば、著作権法上の著作物の要件を満たし、著作権の登録が可能です。

中国で著作権登録を希望する場合、中国版権保護センター(Copyright Protection Center of China)に登録申請を行うことができます。

通常、申請後2ヶ月程度で登録となります。

2.著作権登録の必要性

中国で著作権は、著作物が完成すると自動的に発生します。著作権登録は必須ではなく自主的に行うものです。しかし実際には、著作権者が創作の下書き等の証拠を正しく保存しないため、自分の著作権を証明できないケースがしばしばあります。また、外国の著作権者である場合、著作権に係る証拠の翻訳や公証・認証などが必要となるため、著作権保有の証明のために時間がかかり、費用も高くなる問題が存在します。

前記を踏まえて、簡単かつ効率的に著作権を証明するために、通常、著作権者、特に外国の著作権者には中国でその著作物の著作権登録を行うことをお勧めします。

3.出願/登録した商標に対する著作権登録の必要性

商標登録出願は、他人の先行権利を侵害してはいけません(商標法32条)。前記「先行権利」とは、商標権以外の合法的な先行権利を指しており、先行著作権も含まれます。

また、①対象商標と、先行著作権を有する他人の著作物が同一または実質的に類似すること;②対象商標の出願人が先行著作権を有する他人の著作物と接触したことがある、または接触した可能性があること;③対象商標の出願人が著作権者の許諾を得ていない、という3要件を満たす場合、対象商標が他人の先行著作権を侵害していると認定できます。

このとき、①の要件についてみると、商標と著作物自体が同じまたは実質的に類似すればよく、両者が同一または類似の商品に使用されることは必要とされていません。つまり、上記3要件を満たすのであれば、先行著作権は、他人が非同一・非類似の商品においてその著作物と同じまたは実質的に類似する商標を登録することは阻止できます。

一方、商標の出願/登録をしただけであれば、該商標は、他人が同一・類似の商品において同一・類似の商標を登録することを阻止することしかできません(著名商標を除く)。

この点から、先行著作権のほうがより幅広い保護範囲を有することとなります。

以上のことから、該商標の著作権登録をお勧めします。さらに、可能であればこの著作権登録は早期に行われるほうがいいでしょう。