2018年12月5日に、国務院常務委員会は特許法改正案(草案)を可決した。この後、草案は全国人民代表大会常務委員会に提出され、審議される予定である。中国特許庁(CNIPA)の条法司(法規等の起案に関する部署)の関係者によると、草案は2019年には全国人民代表大会常務委員会により可決され、施行される見込みであるという。
以下は、中国特許法改正案(草案)の改正ポイントである。
1.懲罰的損害賠償制度の導入および法定損害賠償額の引き上げ故意に専利権を侵害し、且つ情状が深刻な場合、権利者が被った損失、侵害者が得た利益、あるいは特許許諾実施料から算出される金額の1~5倍以内で賠償額が決定される。賠償額の算定が困難な場合、裁判所は専利権の類型、侵害行為の性質及び状況などの要素に基づき、10万元から500万元以下(現行法の法定損害賠償額は1万元以上100万元以下)の賠償を確定することができる。
2.職務発明の発明者又は考案者の利益に対する保護の強化発明者・考案者が職務上創出した発明・設計により生まれた利益を享受できる報奨体制が奨励され、専利を受ける権利の発明者・考案者から所属する企業への承継システムが改善される。また、株式、オプション、配当などの財産権による奨励により、発明者又は考案者に合理的にイノベーション収益を享受させることができる。
3.ネットサービスプロバイダーの連帯責任ネットワークによる侵害事件増加の問題に関して、新設規定が追加される。具体的には、特許権者または利害関係者は、裁判所の発行した判決書、裁定書、和解調書、又は特許業務を管理する部門が行った差止め命令の決定に基づいて、ネットサービスプロバイダーに対して侵害品にかかるリンクの削除、不表示、切断などの必要な措置を講じるよう通知することができる。ネットサービスプロバイダーは、通知を受け取ったにもかかわらず適時に必要な措置を講じなかったときは、損害の拡大部分につき特許権を侵害するネットユーザと共に連帯責任を負う。
4.意匠権の存続期間の延長ハーグ協定の要求を満たすために、意匠権の存続期間を10年から15年に引き伸ばされる。なお、日本とは異なり、起算日は「登録日」ではなく「出願日」である点に注意が必要となる。
