2020年11月11日、著作権法の改正案が中国全国人民代表大会常務委員会により可決された。改正法は2021年6 月1日から施行される。インターネット空間における著作権保護に関する規定の整備、特に著作権侵害における法定賠償額上限の大幅引き上げや「懲罰的賠償」原則の明確化等によって、創作者の権利と利益の保護が図られた。

・賠償

改正法では、損害賠償額に新たな規定が追加された。故意に侵害し状況が重大な場合、1倍以上5倍以下の賠償金とすることができる。権利者の損害、侵害者の違法所得、権利使用料の算定が困難な場合、裁判所は権利侵害行為の状況に応じ500元以上500万元以下(約77米ドル~ 77万米ドル)の賠償金とすることができる。

(第54条の関連部分)

著作権及び著作権に関連する権利侵害の賠償金額は、権利者が権利侵害によって受けた実際の損失または侵害者の違法所得で確定することができる。権利者の損失又は侵害者の違法所得の確定が困難である場合、当該権利の実施許諾料を参照して賠償を与えることができる。故意に著作権及び著作権に関連する権利を侵害し、状況が深刻である場合、上記方法で確定した金額の1倍以上5倍以下で賠償金額を確定することができる。

権利者の実際の損失、侵害者の違法所得及び実施許諾料の算定がともに困難な場合には、裁判所は権利侵害行為の状況に基づき、500元以上500万元以下とすることができる。

賠償金額には、権利者が権利侵害行為を差止めるために支払った合理的な支出も含まれなければならない。・著作物の定義改正法では「著作物」の定義が調整されており、現行法第3条第(六)号の「映画著作物及び映画の製作に類する方法で創作された著作物」は「視聴著作物」に改正された。これは著作権が保護する範囲の拡大を意味し、インターネット上のショートビデオのような新たなタイプの著作物も強力な法的保護を得られることになる。

(第 3 条)

本法にいう著作物とは、次に掲げる形式で創作される文学、美術及び科学分野において独創性を有し、一定の形式で表現可能な知的成果を指す。以下を含む。

(一) 文字著作物 (二)口述著作物 (三)音楽、演劇、演芸、舞踊、曲芸芸術著作物 (四)美術と建築著作物 (五)撮影著作物 (六)視聴著作物 (七)工事設計図、製品設計図、地図、見取り図等の図形著作物及び模型著作物 (八)コンピュータソフトウェア (九)著作物の特徴に該当したその他の知的成果・合理的使用現行法では、既に公表された著作物を無償で実演する場合、当該実演につき、公衆から費用を徴収せず、実演者にも報酬を支払わない場合、著作権者の許諾を必要とせず、著作権者に報酬を支払わないことができる。但し、この場合においても、著作者の氏名、著作物名称を明示する必要はあった。

改正法では、無償実演の名義で広告費などを徴収して営利の目的に達することを防止することを目的として、上記合理的な使用に係る規定に加え、「営利の目的ではない」という要件が追加された。 (第 24 条)

次の各号に掲げる状況において著作権を利用する場合、著作権者の許諾を必要とせず、著作権者に報酬を支払わないことができる。但し、著作者の氏名、著作物名称を明示しなければならず、かつ著作権者が本法により享有するその他権利を侵害してはならない。

…

(九)既に公表された著作物を無償で実演する場合、当該実演につき、公衆から費用を徴収せず、実演者にも報酬を支払わなく、営利の目的ではない場合 … ・技術的保護手段改正法では、著作権及び著作権に関連する権利の保護のために、著作権者が技術的保護手段を採用できることも明確化された。

ソース:http://www.npc.gov.cn/npc/c30834/202011/c0e15181bfdf4eadb7065be e74574953.shtml