1.法律規定

中国商標法42条および商標法実施条例31条、32条に下記のとおり規定されています。

(1) 登録商標を譲渡する場合、商標局に対する登録商標譲渡申請手続きは譲渡人と譲受人が共同で行います。双方は共に申請人となります。

(2) 相続、企業合併等の理由(譲渡以外の理由) により商標権の移転が発生した場合には、当該商標権を受ける当事者は、商標局に商標権の移転手続きをしなければなりません。

(3) 裁判所の判決に基づいて商標権を移転する場合にも、移転手続きが必要です。

2.譲渡・移転に関する留意点

以下は譲渡に関する留意点です。これらは移転にも適用されます。

(1) 商標局に商標の譲渡を申請するにあたり譲渡契約書等の提出は不要ですが、譲渡段階で紛争が生じないよう、双方が譲渡契約書を公証することをおすすめします。

(2) 使用許諾契約の届け出がされた商標については、譲渡後に使用許諾契約の届け出を改めて行う必要があります。

(3) 譲渡対象となる登録商標は誤認・混同を引き起こすなど、悪影響を及ぼしてはなりません。

同一または類似する商品・サービスを指定して登録した同一または類似する商標は一括して移転しなければなりません。一括して移転しなかった場合には、期間内に補正するよう通知されます。

(4) 一商標多区分で登録された商標は、区分ごとに譲渡してはならず、全区分をまとめて譲渡する必要があります。

(5) 譲渡申請が商標局で許可される前に双方で協議により合意に達した場合、譲渡申請を撤回できます。

(6) 登録商標の譲渡は商標局に許可された後に公告され、譲受人は公告日より商標権を保有します。

(7) 商標譲渡の全プロセスは、①譲渡申請の関連書類を商標局に提出した後に、商標局が形式的審査をするステップと、②形式的審査に合格した場合、商標局が費用納付通知を発行するステップと、③費用の納付が完了した後に商標局が譲渡証明を発行するステップ――を含みます。この全プロセスは一般的に4~6カ月かかります。

(8) 商標権に質権を設定した場合、質権設定者は原則的に商標を譲渡できませんが、質権設定者および質権者が合意したときは譲渡することができます。

(9)以下の事情があれば、当該事由の証拠資料を提出することで、商標譲渡申請の早期審査を申請することができます。

①企業の上場申請

②商標質権担保融資

③商標権の税関への届け出

④行政手続きにおける商標権審決取消事件の審理 ⑤司法手続きにおける訴訟事件のために必要な場合 ⑥商品がデパート、スーパーマーケットまたは電子商取引プラットフォームで取り扱われている場合 ⑦その他の合理的事由がある場合

(10) 出願中の商標も譲渡手続きを行うことができます。その際の申請要件や留意点は登録商標と同様です。