中国商標法では、自然人、法人その他の組織の商品を他人の商品と区別できる標識は、商標として登録出願できると定められている。対象には、文字、図形、アルファベット、数字、立体的形状、色彩の組合せ、音およびこれらの組合せが含まれる。では、広告スローガンは商標として登録できるのだろうか。本稿では、商標出願人の参考となるよう、この問題を簡潔に解説する。

1. 広告スローガンとは

広告とは、商品またはサービスの提供者が費用を負担し、一定の媒体や形式を通じて、その商品やサービスを直接または間接に紹介する商業的な宣伝をいう。広告スローガンは、その宣伝に用いられる短い表現である。例えば、李寧の「一切皆有可能」、金利来の「金利来,男人的世界」、ノキアの「科技以人为本」などがある。

2. 広告スローガンの商標登録に関する規定

中国商標法第11条第1項第3号は、その他の識別力を欠く標識は商標登録できないと定めている。ただし、使用により識別力を獲得し、容易に識別できるものは登録できる。

「商標審査及び審理基準」では、商品・サービスの特徴を表す語句や文章、通常の広告宣伝用語は、上記の識別力を欠く標識に該当するとされる。原則として登録できないが、他の要素と組み合わせることにより全体として識別力を有する場合は、この限りではない。

3. 広告スローガンの商標出願・登録事例

(1)登録が認められなかった事例

商標の事例と審査結果

(2)登録が認められた事例

商標の事例と審査結果

4. おわりに

広告スローガンの主な機能は、商品・サービスの品質その他の特徴を宣伝することであり、一般に識別力を欠く。一方、商標には商品・サービスの出所を識別する機能が必要となる。広告スローガンを商標として登録するためには、次の方法が参考となる。

  1. 出願人が既に登録している商標を、広告スローガンに組み合わせる。
  2. 文字、アルファベット、特に図形などの識別力のある要素を加え、組合せ全体の識別力を高める。
  3. 積極的に宣伝・使用する。特定の事業者が長期間にわたり大量に使用した結果、広告スローガンが識別力を獲得し、関連公衆に商標として認識されるようになれば、登録が認められる可能性がある。