1.普通名称とは

商品・役務(以下、商品)の普通名称とは、国家規格、業界規格、慣例などで定められた商品の名称をいい、正式名、略称、略語、慣用名などが含まれています。例えば「コンピュータ」という語や登録された植物新品種なども普通名称です。

2.商標法の関連規定

中国商標法11条1項では、商品の普通名称のみからなる標章は商標登録できないと規定されています。これは普通名称のみからなる商標には識別力がないためです。

出願された商標が、指定商品の普通名称のみからなる場合、中国商標局はその商標出願を拒絶します。ただし、出願商標に商品の普通名称だけでなく、その他の識別力のある要素が含まれている場合には、識別力がないと直ちに判断することはできないため、全体として識別力の有無を総合的に判断する必要があります。

3.普通名称の類型

普通名称は、2つの類型に分けられます。

1つ目は、法律規定、または国家規格、業界規格などによって定められた名称です。

2つ目は、関連する公衆に慣例的に受け入れられ、または一般的に使用されている名称です。専門書や辞典等に商品名称として記載されている場合は、慣例的に受け入れられた普通名称を認定する際の参考とされます。

4.普通名称に係る商標の判断方法

(1) 普通名称の地域範囲

法律規定、国家規格、業界規格で定められた商品名称は、中国全国共通のものです。

慣例で定められた普通名称については、一般的に中国全国の関連する公衆の共通認識が判断基準となります。

ただし、歴史的伝統、慣習、地理的環境その他の理由により関連市場が相対的に固定されている商品については、その関連市場に一般的に使用されている名称も普通名称として認められます。

(2) 普通名称の商品範囲

商標登録出願においては、指定商品の名称を対象として11条にいう普通名称に当たるか否かを判断します。その名称が指定商品の普通名称ではない場合、普通名称には該当しません。

例えば、「リンゴ」は果物の普通名称であるため、指定商品「リンゴ(果物)」の商標として使用できませんが、指定商品「携帯電話」の商標としては使用できます。

(3) 普通名称の判断時点

通常、商標登録出願時の事実状況に基づいて判断します。ただし、商標出願時に普通名称ではなかったとしても、登録時に普通名称になっていた場合は、本商品の普通名称として認められます。

5.出願時のアドバイス

商品を説明するような言葉を出願商標に使用することは、なるべく避けるほうがよいと思います。このような商標は、識別力が弱く、拒絶されやすいからです。

出願された商標に説明的な言葉、ひいては普通名称を含める必要がある場合は、その他の識別力のある要素と組み合わせて出願することをお勧めします。