1.質権設定契約と質権設定の関係

中国法は、担保物権の設定について、一般に「契約+公示(引渡し又は登録)」という方式を採用する。特許権の質権設定契約は、質権を設定するための重要な要件である。

物権法第227条第1項は、登録商標権、特許権、著作権などの知的財産権に含まれる財産権に質権を設定する場合、当事者は書面による契約を締結しなければならず、質権は関連主管部門が質権設定の登録をした時に成立すると定める。

物権法は、質権設定契約と質権の設定自体を明確に区別している。契約は質権設定の主要な要件であり、その成立及び効力は契約法によって判断される。しかし、契約が有効になっただけでは質権は設定されず、別途登録が必要である。登録は質権設定の効力発生要件であり、その設定は物権法の規律に服する。

この制度は契約遵守の原則を実現し、善意の当事者の利益を保護する。質権設定契約は、法律・行政法規の強行規定に違反せず、公共の利益を害しない限り、成立後に効力を生じる。両当事者は契約を履行すべきであり、質権者は契約に基づいて登録を請求できる。質権設定者が契約発効後に登録への協力を拒む場合は契約違反となり、契約又は法律に従って責任を負う。

2.質権の登録と質権設定の関係

質権の登録には、大きく2つの立法方式がある。一つは、登録を第三者対抗要件とする方式である。契約が有効になると質権は設定されるが、登録がなければ善意の第三者に対抗できない。本稿では、米国、フランス、英国及び台湾をこの方式の例として挙げる。

もう一つは、登録を効力発生要件とする方式である。契約のほかに登録が必要であり、登録するまでは質権が成立しない。したがって、質権は登録日に設定される。中国及び日本がこの方式を採用する。

3.質権の登録と特許証の引渡しの関係

中国物権法は、特許権の質権の公示方法を登録とする。特許証の占有移転は、質権の効力発生要件ではない。特許法における特許証、登録及び公示の関係から、特許証の引渡しを登録に代わる公示方法とみなすこともできない。物権法が定める公示方法は登録である。

特許権者は自己の権利を直接支配し、他人に対抗できる。法理上、このようにすべての者に対して主張できる権利には、第三者が知ることのできる公示方法が必要である。登録及び公告がその役割を果たす。特許証は権利の存在を証明する書面であり、特許権を設定する書面ではない。

したがって、質権の公示という目的は登録によって達成される。潜在的な利害関係人は特許原簿を調べるだけで、その特許権に付された負担を知ることができる。特許証は特許権の存在を証明するにとどまり、その引渡しによって質権の存在を公示することはできない。質権の公示方法としては有効ではない。