以下は2014年初めの制度を比較したものです。中国は意匠出願件数が世界で最も多く、工業デザインのニーズに合わせて、発明・実用新案とともに特許法の枠組みの中で意匠を保護しています。本稿では中国の制度を紹介し、日本との共通点と相違点を説明します。

1.保護対象

中国特許法第2条は、意匠を、製品の形状、図案またはそれらの結合、および色彩と形状・図案の結合についての、美感を有し工業的利用に適した新しい設計と定義しています。保護対象は技術的解決策ではなく、製品の美的な外観です。その製品は工業的な量産が可能なものでなければなりません。

日本は独立した意匠法により意匠を保護します。この点で、発明・実用新案・意匠を一つの法律で扱う中国と異なります。日本は部分意匠とグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)も保護しますが、この時点の中国では対応する保護を受けられません。例えば、カップやヘアドライヤーの取っ手、タイヤのトレッドなど、製品から分離できない部分を単独の意匠として保護することはできません。通電後に表示される図案も保護対象外であるため、GUIを含む製品意匠は保護されません。

検討中の中国審査基準改正案は、保護しない図案を、人とコンピューターの相互作用または製品機能の実現に関係しない表示装置上の図案に限定する方向です。これにより、一部の表示図案が保護される可能性があります。

2.審査

中国特許法第40条により、SIPOは初歩審査で拒絶理由がなければ意匠権を付与します。主な審査対象は、出願書類の形式的要件、明らかな実体的欠陥、その他の書類・手続の形式的要件です。

これに対し、日本では審査官が先行意匠の調査を含む実体審査を行います。

3.その他の事項

新規性喪失の例外

中国は特許法第24条の三つの公開について6か月の猶予期間を認めます。中国政府が主催または承認する国際展覧会での初公開、所定の学術・技術会議での初発表、および出願人の同意を得ない他人による公開です。これらの公開から6か月以内に出願すれば、その公開によって新規性・進歩性を失いません。当時の日本にも6か月の期間がありますが、対象となる公開行為はより広く認められています。

異なる種類の出願に基づく優先権

中国の意匠出願は、先の意匠出願に基づく優先権のみを主張できます。例えば、外国の実用新案出願を基礎とする優先権は主張できません。一方、日本の意匠出願は、外国の特許出願や実用新案出願に基づく優先権も主張できます。

一出願に含められる意匠

中国特許法第31条は、同一製品の二つ以上の類似意匠、または同一分類に属し一組として販売・使用される製品の意匠を、一つの出願に含めることを認めます。実施細則第35条により、同一製品の類似意匠は10件以下でなければなりません。一組の製品は、国際意匠分類の同じ類に属する必要があります。

日本では「一意匠一出願」の原則がより厳格に適用されますが、要件を満たす組物は、一つの意匠として出願・登録できます。

保護期間

中国の意匠権は出願から10年間存続します。本稿が扱う日本の意匠権の存続期間は、設定登録から20年です。