1.通常の国内移行

国際出願が中国国内段階に移行する場合、通常、出願人は優先日から30カ月以内に、中国国内段階に移行する手続き(以下、移行手続き)を行わなければなりません。

(1) 国際出願の中国国内段階への移行声明(以下、移行声明)を中国語で提出

(2) 出願費用、公開印刷費(特許出願のみ)を納付

(3) 国際出願が外国語の場合、当初の国際出願の明細書、特許請求の範囲の中国語訳文を提出通常の国内移行である場合、中国特許庁(SIPO)は中国国内段階移行出願に関して、期間の満了前に国際出願の処理または審査を行うことはありません。

2.早期国内移行

優先日から30カ月の期間満了前に、国際出願の早期処理・審査をSIPOに請求したい場合は、早期国内移行手続きを行うことができます。

出願人は、上記通常の移行手続きの他に、次の手続きも必要となります。

(1) 早期処理・審査の明示を請求

移行声明の段階で、早期処理・審査の請求をすることが可能です。

また、中国国内段階に移行した後に、意見書の形で早期の処理・審査を請求することもできます。 (2) 国際出願の写しをSIPOに提出

国際出願の国際公開日より前に、国際事務局から指定官庁へ国際出願が送達されることはありません(PCT規則47.1)。出願人が優先日から18カ月前に早期国内移行手続きを行う場合、国際事務局はまだSIPOへ国際出願を送達していないことになります。そのため、出願人はSIPO が国際出願の写しを入手するために、次のいずれかの対応をしなければなりません。

① 受理官庁による国際出願の写しを得て自ら提出

② 国際事務局による国際出願の写しを得て自ら提出

③ SIPOが国際事務局に国際出願の写しの送達を請求するよう、SIPOに要請

④ PCT規則47.4にのっとって、国際出願の写しをSIPO に送達するよう、国際事務局に要請

上記①~④の中で、最も効率的といえるのは①です。

3.遅延国内移行

優先日から30カ月が過ぎても、中国国内段階に移行していない場合、SIPOに期限延長費として約160米ドルを納付すれば、期限を32カ月に延長することができます。

ただし、優先日から32カ月以内に移行手続きを行わない、または移行手続きに不備があった場合、国際出願は中国での効力を失うことになります。

その場合、中国での国内段階移行出願の権利を回復する方法はあるが、その理由は不可抗力に限られます。

「不可抗力の事由」とは、予見できず、回避もできず、かつ克服できない客観的な状況を指します。

つまり、出願人は特許法実施細則6条1項の「不可抗力の事由」を理由として、障害の除去の日から2カ月以内、遅くとも期限満了の日から2年以内にSIPOに権利回復を請求することができます。