1.利用可能なPPHの種類
ひと口にPPHといっても、通常型PPHとPCT-PPHの 2種類があります。前者は先行庁の審査結果を利用し、後者はPCT出願の国際段階成果物を利用します。
国際段階成果物とは、国際調査機関の見解書 (WO/ISA)、国際予備審査機関の見解書(WO/IPEA) および国際予備審査報告(IPER)を含みます。
中国におけるPCT-PPH申請要件の特徴の1つは、 PCT-PPH申請の基礎となるWO/ISA、WO/IPEA、または IPERの第Ⅷ欄に意見が一切記載されていないことです。
2.PPH申請のタイミング
中国出願(SIPOへの出願)の公開が、SIPOへの PPH申請の要件となっていることに注意してください。公開後、次の2つのタイミングでPPHを申請することが可能です。
(1) 実体審査請求をするとき
(2) 実体審査段階だが、まだ実体審査担当部署からのオフィスアクションを受領していないとき
「実体審査担当部署からのオフィスアクション」とは、分割出願の通知や審査官からの他の通知を含みます。
同一の出願について、出願人は最大で2回、PPH を申請することができます。
3.請求項の自発補正可能期間
中国出願の請求項は、対応する出願(例えば、日本出願または国際出願)における特許性がある、または、特許可能と認められる請求項と十分に対応している必要があります。
このため、請求項が十分に対応していない場合、出願人は請求項を補正する必要があります。
その際、補正可能な期間に制限があることに注意が必要です。審査請求時、または、実体審査段階に入った旨の通知の受領日から3カ月以内に限り、自発補正が可能です。
4.「十分に対応している」請求項
上記の「請求項が十分に対応している」とは、中国出願の請求項が対応する出願の請求項と同一の範囲を有する、または、対応する出願の請求項の範囲より狭い場合を指します。
中国出願の請求項において、明細書、および/または、請求項に裏付けられた技術的特徴を追加することにより限定する補正をした場合、より範囲の狭い請求項が生じたと解釈されます。
また、新たなカテゴリーや異なるカテゴリーの請求項を導入した場合、十分に対応しているとはみなされません。
5.PPH申請承認後の対応
SIPOがPPH申請を認めた場合、中国出願はPPHに基づく早期審査の特別な地位が与えられます。
一般的に、PPH申請を行わない通常の審査手続きでは、第1回の拒絶理由通知は、実体審査段階に入ってから6カ月~1年半の時点で発行されます。
一方、PPHに基づく早期審査の案件では、第1回の拒絶理由通知は、PPH申請が認められてから約1~3 カ月以内に発行されます。
さらに、第1回の拒絶理由通知で指摘される問題は形式的な内容であることが多く、これに応答することで特許付与される案件が多い傾向にあります。
PPHプログラムを利用することで、審査期間を短縮させ、審査費用を節約し、出願の早期登録の実現が可能です。 <付>中国特許庁にPPH申請をする外国の統計図
(時間範囲: 2011年11月1日~2013年12月31日)





