1.職務発明とは
中国特許法第6条によれば、所属事業体の任務の遂行、または主としてその事業体の物質的・技術的条件の利用により完成した発明創造は、職務発明創造に当たります。「発明創造」には、発明、実用新案および意匠が含まれます。職務発明の特許を出願する権利は事業体に帰属し、権利付与後は事業体が特許権者となります。
事業体の物質的・技術的条件を利用して完成した発明について、事業体と発明者または設計者が、出願する権利または特許権の帰属を契約で定めている場合は、その定めに従います。以下では、設計者も含めて「発明者」といいます。
所属事業体の任務の遂行により完成した職務発明には、次のものが含まれます。
(1)本来の職務の中で行った発明。
(2)所属事業体から与えられた、本来の職務以外の任務の遂行により行った発明。
(3)定年退職、転職、または労働・人事関係の終了後1年以内に行った発明で、従前の職務または元の事業体から与えられた任務に関係するもの。
所属事業体には、法人、法人格のない組織、および一時的な勤務先が含まれます。物質的・技術的条件とは、資金、設備、部品、原材料、一般に公開されていない技術資料などを指します。
2.職務発明の奨励・報酬
中国特許法第16条によれば、特許権を付与された事業体は、職務発明の発明者に奨励を与えなければなりません。特許の実施後は、その普及・応用の範囲および得られた経済的効果に応じて、合理的な報酬を与えます。
奨励・報酬の内容については、事業体と発明者との合意を優先します。合意により、金銭だけでなく、株式、昇進、昇給などの形式を採ることもできます。
合意がない場合、または合意内容が明らかに不合理な場合には、次の法定基準が適用されます。
奨励の法定基準
特許権の登録公告日から3か月以内に、発明者に奨励金を支給しなければなりません。最低額は、特許1件につき3,000元(約56,000円)、実用新案または意匠1件につき1,000元(約19,000円)です。
発明者の提案が事業体に採用された結果として完成した発明については、優遇して奨励金を支給しなければなりません。
報酬の法定基準
権利の存続期間中に発明創造が実施された場合、事業体は毎年、その実施により得られた営業利益のうち、特許または実用新案では2%以上、意匠では0.2%以上を発明者への報酬に充てなければなりません。
または、上記の割合を参照して報酬を一括払いすることもできます。他の事業体や個人に実施を許諾した場合は、受領した実施許諾料の10%以上を発明者への報酬としなければなりません。
権利の帰属、奨励または報酬に関する紛争は、当事者間の協議、特許行政機関による調停、または訴訟により解決できます。
上記の奨励と報酬の法定基準は、それぞれ特許法実施細則第77条と第78条に定められています。



