1.関連法律規定について
中国特許法11条によれば、特許製品の侵害行為とは、発明および実用新案について、権利者の許諾を受けずに、生産経営を目的として、その特許製品を製造、使用、販売の申し出、販売、輸入することを指します。ただし、意匠については、使用は権利侵害になりません。
中国特許法60条によると、特許権侵害紛争の解決ルートとして、当事者の協議、特許権者または利害関係者による裁判所への起訴、または関連の知的財産権局への処理請求があります。
また、展示会における知的財産権保護弁法6条によれば、会期が3日間以上にわたる場合、あるいは展示会の管理当局が必要と認める場合、主催者は、会期中に知的財産権の苦情受付機関を設置する必要があります。設置されない場合、開催地の知的財産権局により、展示会における知的財産権に対する指導、監督および関係事件についての処理が行われます。
2.対応方法
特許権者が展示会で被疑侵害製品を発見した場合、現状における一般的な方法として、展示会に設置された知的財産権苦情受付機関または開催地の知的財産権局に対して、苦情を書面にて提出します。
主催者や地方の知的財産権局は、苦情を受けた場合、被疑侵害者に展示の中止を求めます。被疑侵害者の販売行為がある場合には、状況に応じて地方の知的財産権局より行政による決定(例えば、特許権者に対する賠償など)が下されます。
もちろん、特許権者は、公証役場の公証人と共に展示会の会場で予備的証拠を取得し、裁判所へ特許権侵害訴訟を提起することもできます。 3.展示会の特許権侵害の苦情申し出について
通常、大型の展示会になると、知的財産権の苦情受付機関が設立されます。設けられていない場合、特許権者は、開催地の知的財産権局へ苦情を申し出る必要があります。
その際、以下①~④の資料の提出が求められます。
①合法かつ有効な知的財産権の権利帰属証明
具体的には、特許証、特許公報、特許権者の身分証明書、特許の法的状態の証明が必要になります。
なお、特許権者が法人の場合、営業許可証と法定代表人の身分証明書を提供する必要があり、特許権者が外国の法人である場合には、特許権者の所属国の公証機関の公証、中国駐当該国の大使館の認証が必要です。 ② 侵害容疑者の基本情報
例えば、氏名/名称、住所、地域の工商管理機構が発行する工商登記情報などが必要です。
③ 特許権侵害の理由と証拠
特許権侵害の理由としては、権利侵害に係る特許の具体的な請求項に基づくものが必要です。また、展示会会場での撮影写真、ビデオ、被疑侵害製品の情報
を含む展示会のパンフレットなどを証拠として用いることができます。
④ 委任状(代理人に苦情の申し出を依頼する場合)
委任状には特許権者本人または法定代表人の署名や捺印が必要です。特許権者が外国の個人または法人である場合、委任状の公証・認証手続きを行う必要があります。


