行政ルートの救済は司法ルートの救済より、手続きが簡単であり、処理期間も短く済みます。特許権侵害紛争について、特許業務管理部門は権利侵害が成立していると認定した場合、権利侵害者に侵害行為の即時停止を命じることができ、損害範囲の拡大が避けられます。

1.誰が請求できるか?

特許業務管理部門に特許権侵害紛争の処理(行政処分)を請求することができるのは、特許権者あるいは利害関係者です。

利害関係者は特許権者の合法的な相続人、特許実施許諾契約における被許諾者を含みます。

2..誰に請求するか?

特許権者(請求人)は権利侵害者(被請求人)の所在地または権利侵害行為発生地の特許業務管理部門に特許権侵害紛争の処理を請求します。

特許業務管理部門とは、省、自治区、直轄市人民政府や区が設けられている市の人民政府が設立した特許業務を管理する部門を指します(例えば、広東省知的財産局、北京市知的財産局)。

3.どのように請求するか?

特許業務管理部門に特許権侵害紛争の処理を請求する場合、特許権侵害紛争処理請求書および下記の証明資料を提出しなければなりません。また、代理人に依頼する場合、委任状の提出も必要です。

(1)権利主体資格証明(例えば、身分証明書、営業許可証)

(2)特許権有効の証明(すなわち特許原簿の副本、あるいは特許証とその年の特許年金納付領収書) 中国国内に住所がない外国人や外国企業が特許権者の場合、上記権利主体資格証明、委任状の公証・認証を行い、それらの中国語翻訳文を提出しなければなりません。

4.特許権侵害紛争はどのように処理されるか?

特許業務管理部門は特許権侵害紛争を処理する場合、当事者双方の意思で調停を行うことができます。当事者双方が合意した場合、特許業務管理部門は調停合意書を作成し、調停が成立しない場合、処分決定を下します。

権利侵害が成立していると認定し、侵害行為の即時停止を命じた処分決定を受領した権利侵害者が、期限を経過しても提訴せず、かつ侵害行為を停止しない場合、特許業務管理部門は裁判所に強制執行を申請できます。

5.特許権侵害紛争の処理期間は?

特許業務管理部門は特許権侵害紛争を処理する場合、立件日から3カ月以内に結審します。事件内容が複雑で期間の延長が必要な場合、特許業務管理部門の責任者の承認により、1カ月を超えない範囲で延長されます。

処理手続き中の公告、鑑定、中止等の期間は処理期間に算入しません。

6.無効審判の請求時、特許業務管理部門は処分を中止するか?

実務的に、特許権侵害紛争事件の処理手続き中に、権利侵害者による本件特許の無効審判請求が受理された場合、特許業務管理部門に行政処分の中止を請求することができます。

中止の理由が十分にあれば、通常は認められますが、その理由が成立しないと考えられた場合は、処分は中止されません。

図:中国で発生した特許権侵害紛争について、裁判所に提訴する以外に、特許業務管理部門に処理を求めるという行政ルートの救済があると聞きました。この行政ルートによる救済手続きについて簡単に教えてください。
図:中国で発生した特許権侵害紛争について、裁判所に提訴する以外に、特許業務管理部門に処理を求めるという行政ルートの救済があると聞きました。この行政ルートによる救済手続きについて簡単に教えてください。