1)主な改正点 ①「媒体+コンピュータプログラムプロセス」の表現への許可改正前の審査基準によれば、アルゴリズムや数学の計算規則、コンピュータプログラム自体、または媒体上だけに記録されたコンピュータプログラムに関するクレームは、特許の保護対象となり得ません。

改正後の審査基準では、特許の保護対象外の上記「媒体上だけに記録されたコンピュータプログラム」が「媒体上だけに記録されたコンピュータプログラム自体」に改正されました。

つまり、コンピュータプログラムプロセスによって限定されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は特許の保護対象となります。

②装置のクレームの構成部分にプログラムプロセスを含めることができることを明確化装置のクレームの各構成部分に、ハードウエアだけでなく、プログラムプロセスも含めることができます。改正後の審査基準によれば、装置のクレームにおいて、プログラムプロセスの改良について直接かつ明確に記載することができ、プログラムプロセスが、ハードウエアの機能または方法を限定的に理解されることを避けられます。

換言すれば、装置のクレームにプログラムプロセスによって限定された構成部分を含める場合でも、この構成部分がプログラムプロセスで限定されていることを理由として、このクレームのカテゴリーが明確ではないと審査官から認定されることはありません。

③「機能モジュール」を「プログラムモジュール」に補正改正前の審査基準によれば、コンピュータプログラムに関わる特許出願のクレームを装置のクレームとして記載するとき、この装置に、コンピュータプログラムプロセスの各ステップや方法のクレームの各ステップとそれぞれ対応する機能モジュールを含めることができます。

改正後の審査基準では、上記「機能モジュール」から「プログラムモジュール」に改正されました。

従って、審査・権利侵害の判断において、プログラムモジュールに対し、機能的表現で限定された機能モジュールの標準を適用できなくなります。

2)クレームの記載方式への影響改正後の審査基準によれば、コンピュータプログラムに関わる特許出願のクレームについて、方法のクレームとして記載する以外に、以下の3つの記載方式があります。

①媒体+コンピュータプログラムプロセス例えば、「コンピュータプログラム(命令)を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムが実行されたときに、プロセッサに…ステップを実行させるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体」。

②プログラムプロセスによって限定される構成部分を含む装置のクレーム例えば、「メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶された、前記プロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムとを含むコンピュータ機器であって、前記プロセッサは、前記プログラムを実行したときに、…ステップを実行することを特徴とする、コンピュータ機器」。

③プログラムモジュール構造のクレームこのような記載方式は、改正前の審査基準のコンピュータプログラムプロセスの各ステップや方法のクレームの各ステップとそれぞれ対応するモジュールによって装置を限定する方式と一致していますが、各モジュールの名称を「機能モジュール」から「プログラムモジュール」に変更する以外に、記載方式では区別はありません。

審査基準の以上の改正により、コンピュータプログラムに関わる特許出願について複数の方式で記載することができるようになります。出願人はコンピュータプログラムに関わる発明の保護にあたり、有利な方式を選択してクレームを記載することができます。