二審の事件番号:(2016)京行終2609号原告:マイクロソフトコーポレーション被告:商標評審委員会(審判部に相当) 【事件経緯】係争商標は「POWERPOINT」である。その指定役務は、第42類のコンピュータサービスであり、具体的に、図形を展示するためのソフトウェア、このようなソフトウェアに対しリモート記憶のデータにアクセスするクラウド・コンピューティング・サービスなどである。

拒絶査定不服審判における審判官の見解は次のとおりであった。

「POWERPOINT」はマイクロソフト社が開発したファイルフォーマットであるが、長期間の使用を経て、関連公衆にとってすでにそれはスライドのプレゼンテーションと対応するソフトウェア商品における通用名称となっている。関連公衆はそれを出所識別用の標識とすることはない。よって、コンピュータサービスの分野において係争商標は識別性が欠けている。

一方、最終審における裁判官の判断は上記の審決とは異なり、次のとおりであった。

マイクロソフト社は、1999年に第9類のコンピュータ・ソフトウェアなどの商品において「POWERPOINT」の商標を出願しており、2000年には商標局に登録されており、現在も有効状態となっている。上記により、「POWERPOINT」は少なくとも2000年までプレゼンテーション・ソフトウェアの通用名称に構成されなかった。2000年から現在まで、関連公衆がプレゼンテーション・ソフトウェア「POWERPOINT」を知る程度はますます高くなっているが、プレゼンテーション・ソフトウェア商品において「POWERPOINT」とマイクロソフト社との唯一の対応関係は切断されていない。公共領域に入っていることにより、逆に、両者の関係はさらに緊密になっている。また、同じ業界の他の事業者が「POWERPOINT」を商品名称またはソフト・フォーマットとして使用しているという証拠はない。現在、関連商品には「KEYNOTE」、「SLIDE」、「WPS」など異なる登録商標が存在している。商標評審委員会が立証せずに、「POWERPOINT」をプレゼンテーション・ソフトウェア商品の通用名称として主張することは支持されない。係争商標「POWERPOINT」は英語で固定な意味を持っておらず、独創性をもっている。「POWERPOINT」がソフトウエアの通用名称となっている証拠が不十分であるため、係争商標「POWERPOINT」はコンピュータサービスなどの項目に使用を指定されており、サービスの出所を識別する役割を果たしており、識別性を持っている。

上記により、裁判所は、審決を取り消し、商標評審委員会に新たな審決を下すよう判決した。

【コメント】決められた通用名称は一般的に中国全国範囲内の関連公衆の通常認知を判断基準としているが、公衆が幅広く使用した、または認知した名称が必ずしも通用名称となるわけではない。

本件では、関連公衆が「POWERPOINT」を幅広く使用したが、プレゼンテーション・ソフトウェア商品において「POWERPOINT」とマイクロソフト社との唯一の対応関係が切断されないことが示された。公共領域に入っていることにより、逆に、両者の関係はさらに緊密になっているとされた。また、同じ業界の他の事業者が「POWERPOINT」を商品名称またはソフトフォーマットとして使用しているという証拠もない。

したがって、「POWERPOINT」というプレゼンテーションソフトウェアの商標が一定の知名度を有しても、通用名称として認定することもできず、さらに、これを理由に当該商標はその関連コンピュータサービスの使用役務において識別性が欠けていると認定することもできない。

本件の判決によって、商品の通用名称認定の司法実務が充実され、事業者の合法的な権益がよりよく保護され、通用名称認定問題における乱用化傾向が避けられることとなる。

ソース:http://ip.people.com.cn/n1/2016/0923/c136655-28735490.html