1.期限を徒過した証拠の許容範囲中国における特許の無効審判手続きにおいて、請求人は無効審判請求時に証拠を提出することができ、無効審判請求日から1カ月以内であれば証拠を補足することもできる。
請求人が無効審判請求日から1カ月経過後に証拠を提出する場合、復審委員会(審判部に相当)はそれらを全く受け入れないわけではありません。
中国審査基準の関連規定によると、次の場合であれば、期限を過ぎていても証拠の追加が認められます。
(i)特許権者による反証について、請求人が復審委員会の合議体の指定した期限内に証拠を提出し、かつ、この期限内に該証拠に基づいて関連する無効理由を詳しく説明する場合 (ii)口頭審理での弁論の終了前に、技術辞典や技術マニュアル、教科書などの該当する技術分野における技術常識を証明する証拠、または証拠の法的形式を完備させるための公証書類や原本などの証拠を提出し、かつ、上記弁論の終了前に該証拠に基づいて関連する無効理由を詳しく説明する場合上記から、中国における無効審判手続きでは、証拠の提出期限が厳しく、かつ、期限を徒過した証拠の許容範囲は狭いことが分かります。そのため、できるだけ期限内に証拠を周到に準備するほうが良いでしょう。 2.証拠を提出する際の注意点 (1) 証拠が外国語である場合請求人または特許権者が提出した証拠が外国語である場合、指定期限内にその中国語訳を書面で提出しなければなりません。指定期限内または書面で中国語訳を提出していない場合、その証拠は未提出と見なされます。
また、相手方当事者から中国語訳の内容に対して異議がある場合、指定期間内に異議部分の中国語訳を提出する必要があります。 (2) 証拠が証人の証言である場合証人は口頭審理に出席して証言を行い、尋問を受けなければなりません。口頭審理に出席していない証人が作成した書面による証言は、単独では事実認定する際の根拠になりません。 (3) インターネット証拠について無効審判手続きにおいて、よく争われるのは、証拠の真実性と公開性(主に公開時期を指す)です。復審委員会の合議体は、証拠の公開時期、形式上の真実性、内容上の真実性などからインターネット証拠を審理します。
公衆がインターネット掲載情報を最初に閲覧できた時期を該インターネット掲載情報の公開時期とし、一般的にはインターネット掲載情報の公表時期を基準とします。
インターネット証拠の真実性の判断は、主に形式上の真実性(すなわち、証拠が偽造されたものであるかどうか)と内容上の真実性(すなわち、インターネット情報および発表時期が修正されたかどうか)の2つの面で行います。インターネット証拠については、公証しておくことをお勧めします。当事者は法廷の場で証拠の取得過程を裁判官に見せることにより、インターネット証拠の真実性を高めることができます。 (4) 域外証拠について中国の領域外で形成された証拠を中国では「域外証拠」と称します。
この域外証拠は、所在国の公証機関によって公証され、そして同国駐在の中国大使館・領事館によって認証(公証証書における公証機関の捺印と公証人の署名の真実性の認証)されたか、もしくは中国と同所在国で締結した関連条約に基づき証明手続きを履行したものでなければなりません。



