本事件は、中国最高裁知的財産権法廷が2022年に結審した3468件の技術系知的財産権事件や独占事件の中から、20件の代表的な事例の1つとして選ばれたものです。
【事件番号】 (2021)最高法知行終451号 (2021)最高法知行終702号【当事者(特許権者)】 Bayer Intellectual Property GmbH 【当事者】南京恒生製薬有限公司南京生命能科学技術開発有限公司【事件概要】 Bayer Intellectual Property GmbH (以下、バイエル社)はリバーロキサバンに係る中国特許出願(特許番号00818966.8、発明の名称:置換オキサゾリジノン及び血液凝固の分野におけるそれらの使用)の特許権者です。南京恒生製薬有限公司(以下、「恒生社」)、南京生命能科学技術開発有限公司(恒生社の完全子会社で、以下、「生命能社」)は、自社のウェブサイトや関連する展示会で、恒生社の登録商標付きの「リバロキサバン錠」「リバロキサバン原料薬」を展示しました。バイエル社は、南京市知的財産権局に対して特許権侵害に関する紛争処理の請求を提出し、同局は恒生社と生命能社の特許権侵害停止を決定しました。
恒生社と生命能社はこの決定に不服として、南京市中級裁判所に訴訟を提起しました。一審裁判所は、訴訟請求を却下しました。
恒生社と生命能社は不服として、最高裁に控訴していました。最高裁の二審判決は、恒生社と生命能社が許諾なく、ウェブサイトや展示会を通じて不特定のものに対してイ号製品を販売する意思を表したことは、販売の申出行為となると判断しました。医薬品及び医療機器の行政審査の侵害例外条項(すなわちBolar条項、特許法第75条の第(5)号に対応)は、自身の行政審査申請のために「製造、使用、輸入」をし、または前者の主体の行政審査申請のために専ら「製造、輸入」する行為のみに適用されます。恒生社と生命能社は、これらの例外条件を満たしておらず、販売の申出行為もBolar条項に規定された行為に該当しないため、Bolar条項は適用されないと判断されました。そのため、最高裁は一審の判決を維持する判決を下しました。
特許法第75条の第(5)号以下に掲げるいずれかの状況がある場合は、特許権侵害とはみなさない。
(中略)
(5)行政審査に必要な情報を提供するために、特許薬品または特許医療機器を製造、使用、輸入する者、および専らその者のために特許薬品または特許医療機器を製造、輸入する場合。
【代表的な意義】本事件の裁判において、特許法が合法的な権利に対する保護は原則であり、法定の非侵害の規定は例外であり、その例外について、厳しく解釈すべきであると強調されました。特許法における医薬品および医療機器の行政審査の侵害例外(Bolar条項)に関する法的適用について、特許権が満了した後、公衆が安価な医薬品および医療機器を取得することを保障する一方で、特許権者の合法的な権益を損なうことも避けなければなりません。特許法における医薬品と医療機器行政審査の例外規定を適用する際に、特許権者とジェネリック医薬品メーカとの利益のバランスを取るべきです。本事件の判決は、医薬分野の研究開発を奨励し、医薬品市場の革新的な発展を維持することに積極的な指導作用があります。



