本稿で扱う商標法第8条は、自己の商品・役務を他人のものと区別できる視覚的標章について登録出願を認める。文字、図形、アルファベット、数字、立体的形状、色彩の組合せ及びこれらの組合せを含む。ここでいう結合商標は、文字と図形など複数の要素を組み合わせた商標である。
1. 結合商標の同一性
文字、図形及び配置によって、称呼と全体的外観に差がないか、ごくわずかな差しかなく、商品・役務の出所について混同を生じさせやすい場合、同一の商標とされる。図例1のDoppelherzの組合せがその例である。
2. 結合商標の類似性
文字や図形の要素、又は全体構成が同一・類似であり、関連公衆に混同を生じさせやすい場合、類似と判断される。関連公衆には、商品・役務の消費者、他の生産者・提供者及び流通に携わる販売者その他の関係者が含まれる。
(1)中国語の文字
漢字部分が同一又は類似し、混同のおそれがある場合、類似商標と判断される。図例2の风度猫は「style cat」を意味し、FENGDUMAOはその中国語のピンイン表記である。
(2)外国語・アルファベット・数字
外国語、アルファベット又は数字が同一・類似で、混同を生じさせやすい場合は類似となる(図例3)。ただし、全体の称呼、意味又は外観に明確な違いがあり、混同しにくい場合は類似とされない。図例4はこの例外である。
(3)異なる言語の文字
異なる言語の文字の意味が同一又は実質的に同一で、混同のおそれがある場合は類似となる。図例5はGENTLEMAN PENGUINと、「ペンギンの紳士」を意味する企鹅绅士との比較である。
一方、全体の称呼、意味又は外観が明確に異なり、混同しにくい場合は類似とされない(図例6)。
(4)図形部分
図形が同一又は類似し、混同のおそれがある場合は類似となる(図例7)。
ただし、図形が商品に通常用いられるもの、又は主に装飾・背景として機能し識別力が弱いものであり、商標全体の称呼、意味又は外観が明確に異なって混同しにくい場合は、類似とされない。図例8がその例である。
(5)全体の組合せ又は意味
文字と図形が直接には類似していなくても、その組合せや全体像が同じものを示す場合がある。それによって全体の外観や意味が類似し、混同のおそれが生じれば、類似商標と判断される。図例9ではMAOTOUYINGと猫头鹰はいずれもフクロウを示し、前者は中国語のピンイン、後者は漢字表記である。
3. 各要素を別々に出願する方法
結合商標の各要素は個別に審査される。文字と図形を結合した商標では、いずれかの要素が拒絶されると商標全体が拒絶され得る。文字と図形を別々に出願すれば、互いの審査に影響を及ぼさず、両方が登録された後に組み合わせて使用することもできる。
図例











